カササギの王(KJ・チャールズ)のあらすじと感想|カササギの魔法シリーズ1

カササギの王(KJ・チャールズ)のあらすじと感想|カササギの魔法シリーズ1

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「カササギの王」(KJ・チャールズ)とは

「カササギの王」とは、著者のKJ・チャールズが執筆したMMロマンス小説で、カササギの魔法シリーズの1巻目になります。(全3巻)
物語の舞台はイギリスで、超能力などの超常現象が起こるのでファンタジー作品です。

こんな人におすすめ
  • 大人の恋愛が好き(MMが好き)
  • ファンタジーや魔法の世界観が好き
  • 物語もしっかりとした話が読みたい

今回は「カササギの王」について感想を語っていきたいと思います!




「カササギの王」のあらすじ・登場人物

あらすじ
父と兄の原因不明の死のせいで伯爵位を継承するため、戻りたくもなかった故郷のイギリスへ帰ってきたクレーンは、強烈な自殺願望に襲われる。

追いつめられた彼は超常的な力に救いを求め、能力者(プラクティショナー)のスティーブン・デイを頼るが、デイにはクレーンの家族を憎む十分な理由があった。

彼の家族は暴君であったクレーンの父親によって破滅させられていたのだ――。
KJ・チャールズ、待望の新シリーズ開幕! 短篇「刺青(タトゥー)に纏(まつ)わる間奏曲」も収録。

物語は、クレーン伯爵による原因不明の自殺衝動から始まります。
自殺衝動を治すためにイギリスのシャーマン(能力者)を呼びます。
そこにクレーン一族を憎んでいる能力者スティーヴンが呼ばれ、二人は出会います。

すったもんだありながら一旦はクレーン伯爵の病は治るのですが、根本的な問題が解決されていないため、スティーヴンたちはクレーン伯爵の屋敷(パイパー)で調査を始めます。

調査をしていくうちに、だんだんと彼らの距離が近づいていくところが、この作品の見どころです。
彼らのロマンスだけでなく、物語展開もよく出来ているのでぜひ読んでほしいです!

登場人物

スティーヴン・デイ:超常能力の濫用者を取り締まる審犯機構の能力者

クレーン伯爵(ルシアン・ヴォードリー):二十年ぶりに中国からイギリスへ帰国した貿易商
フランク・メリック:クレーンの従者にして片腕
ヘクター・ヴォードリー:クレーンの兄。故人
クエンティン・ヴォードリー:クレーンの父。故人

グレアム:クレーンの領地の屋敷(パイパー)の執事
ミッチング夫人:パイパーの家政婦頭

スウェイト夫妻:パイパーの隣人

マージョリー・ベル:クレーンの領地の住人

へイニング師:スウェイト夫妻の招待客。牧師

ヴァーノン夫妻:スウェイト夫妻の招待客。弁護士とその夫人

ブルートン夫妻:スウェイト夫妻の招待客

ヒュー・ベインズ:教区委員

ラッカム:クレーンの上海時代の知人

エドナ(ガマー)・パロット:マージョリーの祖母。故人
ルース(ルシー)・パロット:エドナ・パロットの孫娘

トーマス・アンダーヒル:魔道師。故人

ユー・レン:上海のシャーマン

アニー・タルボット:スティーヴンの叔母
エスター・ゴールド:スティーヴンの仕事のパートナー




「カササギの王」の感想(ネタバレあり)

今回はかなり面白かったので、気になってる方ならぜひ読んでいただきたい作品です。

ただ、惜しむところとして翻訳がちょっと読みにくかったです。原書もそうなのかわかりませんが、文章の前後関係など唐突なところなどありました。(結構理解しにくかった)

物語が十分に面白かっただけに、かなりもったいないな〜と思ったので、原書も読んでみようと思います。
以下物語について感想を書きます。

クレーンとスティーヴンの関係性が良い

この作品の目玉はなんといってもの、クレーンとスティーヴンの関係性です。最初はスティーヴンがクレーン一族に対しての憎しみが大きかったんですが、それでもクレーンの人間性を深く知っていくにつれ態度が柔らかくなっていきます。

対してクレーンは、スティーヴンの仕事を通して彼の真面目なところや公平な考え方対して好感を持ち、だんだんと彼に歩み寄っていきます。

この二人の心理描写がとてもお上手で、読んでいて”二人ともめっちゃかわいいーーーーーー!”となりました。
でも一番は、お互いがタイプだったということを二人が気づいた場面が、一番萌えたポイントです。

またこの作品のいいところは、ただくっついて終了、ではなくだんだんと二人の距離が近づいていく様子を丁寧に描かれています。
物語としても、二人で困難を乗り越えた上で結ばれていく展開が説得力があって、とても面白かったです。

特に最後のおまけ話「刺青に関わる間奏曲」は、二人が結ばれた後の話なので超よかったです。
可愛い二人が見れるので、ここまでぜひ読んでほしいです!!

最後の怒涛の展開が面白い

物語として一番面白かったところは、クレーンとスティーヴンがブルートン夫妻たちに囚われている展開のところです。
クレーンが彼らに乗っ取られそうになり、スティーヴンが寸前のところで彼らを救った場面は面白かったです。

ご都合の展開といったらそれまでですが、伏線として力を使うための必要条件があった点を回収していたのは良かったです。
そして最後にブルートン夫人だけ逃げたのも、この先大きな敵と戦うフラグが立ったので、先の楽しみが増えました。恐らく、最終巻あたりは魔道士との対決が待ち受けてるんだろうな〜

もう一つ面白かったのは、クレーンとスティーヴンが結ばれようとした時に、クレーンの残りの2つの刺青がどこにあったのかが描写されている場面です。
下半身と太ももに描かれていたわけですが、完全著者の性癖だろうな〜と思いました。想像するとすごいセクシーなのでこういうは大好きです。ありがとうございます!

ファンタジーな世界観

今回は超常現象が起こる世界で、能力を持つ人と非能力者の2パターンがおり、能力者の世界では秩序を保つためにスティーヴンのような立場がいます。(審犯機構)
ある意味ハリーポッターのような設定と似ていますが、異なる点は”非能力者は能力者の存在を知っている”という点です。

ここでいう能力とは、魔法みたいなことができるようです。人を操ったり、自分の存在を消したり、簡単に人を殺せたり・・・なんでもありですね。

個人的に微妙だった点として、特殊単語に対しての説明がなかったり、文脈が微妙だったのですぐに世界観が理解ができなかったです。
もうちょっと説明があると物語に入り込めたな〜と思いました。
やっぱりどこかのタイミングで原書を読みます。




まとめ

発売前からかなり期待していた作品ですが、期待以上にメインカップルが可愛かったのでめちゃくちゃ満足です。
全3巻なので、残り2巻で終わりなことが今から寂しいです。

次作もどんな困難が待ち受けているのか、楽しみです!