薔薇色じゃない(凪良ゆう)のあらすじと感想|どこまでも巡り合う運命の二人

薔薇色じゃない(凪良ゆう)のあらすじと感想|どこまでも巡り合う運命の二人

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「薔薇色じゃない」(凪良ゆう)とは

「薔薇色じゃない」とは、著者の凪良ゆうがすれ違いカップルを描いたBL小説です。

こんな人におすすめ
  • 普通の人同士のカップル
  • どこまでもお互いに一途
  • とにかくお互いが大好き

全て書き下ろし作品で、出版当初はおまけペーパーも付録としてありましたが、残念ながら今は中古でしか売っていません。
(お願いします、出版社様どうか売ってください・・・!)

今回は「薔薇色じゃない」について感想を語っていきたいと思います。




「薔薇色じゃない」のあらすじ・登場人物

あらすじ
磁石の両極が引き合うように、怖いくらいスムーズに恋に落ちた水野と阿久津。

大学卒業後、同棲を始めるが、会社員となった阿久津とフードスタイリスト修行中の水野は少しずつすれ違い、水野がふと漏らした一言が決定打となり別れる。

一年後、再会したふたりは友人としての関係を築く。迷いと過ちを繰り返しながら辿りついた先は…?

簡単にあらすじをご紹介すると、飲み屋で出会ったゲイの二人。
意気投合して恋に落ちて付き合い始めるのですが、些細なことが積もりに積もって喧嘩別れします。

しかし、なぜかお互い相手がいながらも”友人”として関係が続いている二人。
お互い両片思いの状態なのにも関わらず、訳あって付き合えないところが、切なさを感じる物語です。

登場人物

水野:フードスタイリストを目指す若者。阿久津のことが大好きだが、同居でイライラが募り…

阿久津 :一般会社員。水野のことが大好きだが、一人でなんか背負っている馬鹿野郎。




「薔薇色じゃない」の感想(ネタバレあり)

凪良さんが大御所の作家さんなだけあって、非常に面白い作品でした。

人によっては阿久津の人生に好き嫌い分かれるかもしれませんが、妙なリアルさが際立っていて、阿久津の設定がなかったら恐らく物語は単調なものになっていたと思います。
以下詳しく語ります。

何度でも再会する二人

水野と阿久津の関係性は、読者視点で見ればとても羨ましいです。
お互いが理解しきっていて、別れていても心の深いところで忘れられない存在というものにはなかなか出会えないと思います。

ましてや同じ恋愛対象であったなんて、ほとんど運命に等しいのに、二人が25くらいで別れた時はショックが大きかったです。
ぶっちゃけ一回目の別れは阿久津が全て悪いのですが、これをきっかけに水野がトラウマになって最後の最後まで一歩踏み出すのが臆病になってしまいます。(阿久津の罪は深い…)

一回目、水野と別れた阿久津は、一般女性と結婚します。この展開に嘘だろ!?と仰天したのですが、阿久津が一人親の母を想うがあまりの行動によるものと明かされた時はなんとも言えなかったです。
この部分が非常に良くできた流れだなと思いました。

その後、結婚を知った水野はめちゃくちゃ辛い想いをするのですが、どう考えても阿久津がヒールすぎて涙が出るかと思いました。

何年もすれ違う二人

今までのBL作品だったら良くも悪くもハッピーエンド重視なので、一回別れたらまたくっつくというのがよくありましたが、今作は違います。
なんと35歳になるまで、ずっとすれ違い続けるのです。
どうしてこうなった!!と突っ込みたいところですが、これが普通のbl小説と違って面白いところです。

二人が別れてから数年経ち友人関係になっていたところ、途中で阿久津が離婚を経験します。
しかし離婚した直後に、水野から彼氏を紹介されます。

その衝撃がなんとも大きく、読んでいてめちゃくちゃ辛かったです。
確実に著者の凪良さんの”ここで終わらせないぞ”感が出ていて、ちょっと笑ってしまいました。

たしかにここで二人が元に戻ると、今までみたいに阿久津が亭主関白のまま、水野が苦しくなってもう一回別れる時が来るかもしれません。
そう思うと逆に阿久津にとっては良い教訓なんじゃないかなと思いましたが、その後数年もすれ違ったままなんですから凪良さん鬼畜ですね。

最終的には周りからのフォローもあって無事に二人は元通りになりましたが、ゲイの人が感じる苦しみなどの感情が非常にリアルで読み応えたっぷりでした。
やっぱり想い想われる関係っていいなと思いました。




まとめ

恐らく忘れた頃にもう一回読むと思います。
それほど二人のすれ違いが切なくて泣きそうになりました。

自分や他者の過ちを認めることは簡単ではありませんが、同時に許してあげることも必要なんだなと思います。
全部が全部そうではないですが。


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